2020年10月19日5 分

インテリアと植物の調和を考える〜オランダ視察レポート〜

フラワーデザインオードリー
 
デザイナーの宮下です。
 

 
私は、庭やエクステリアを手掛ける造園会社に所属するフラワーデザイナーです。
 
おもにホテルでのパーティーやウェディングシーン、オーダーメイドのフューネラルなどの
 
空間コーディネートのプランニングを専門とするデザイナーです。
 

 
ヨーロッパなど海外では、私のようなフラワーデザイナーたちは庭にとても造詣が深く、屋内・屋外問わず自然な世界を表現することができます。


 
当社は造園会社ですから、まさにヨーロッパのフローリストが大切にしている美意識と共感できることがたくさんありました。
 

ヨーロッパでは、普段は切花を中心に仕事をしている花屋であっても、庭との結びつきがとても強く、季節感をとても大切にしているのです。
 

これが日本ですと、お庭との結びつきの強い花屋は稀で、とても貴重だと言えます。
 

 
そんな違いがある中、私たちフラワーデザインオードリー、ロハスガーデンズのメンバーは本物を知るため、海外へ定期的な視察を行なっています。
 

 
さて、今日の本題は、
 

 
インテリアに合わせて植物をお部屋に飾る

です。

日本ではまだまだ実践されることが少なく、馴染みの薄いことなのかもしれませんが、海外では、植物を身の回りの空間を飾る、お部屋を飾る、オシャレに飾るということを実践している人たちがたくさんいます。

まさに、花文化の先進国とでもいいましょうか、とってもオシャレな国が存在します。
 

私がご紹介したいのは、私が今年1月視察に訪れたオランダ。
 

オランダは、日々の暮らしにとても高い美意識を持った人々の暮らす国です。


 
視察した際に感じたのはオランダはまさに花文化における先進国であり、インテリアにも高い意識を持った人が多く住む国だなぁと強く感じました。
 

 
まずは日本との大きな違いについてお話をしてみたいと思います。


空間装飾における日本とオランダの違いTOP3

私たち日本のフラワーデザイナーにとっては、オランダは学ぶべきことが沢山ある国ですが、そのなかで「
空間装飾における日本との違い」に驚きました。


目の当たりにして感じた大きな違い、そのTOP3とは一体??




1. スケール感


  天井高そのものの高さ、空間に合わせたスケール感


百聞は一見にしかず。こちらの写真はオランダのエールセルにある超有名生花店「Oogenlust」の店内ディスプレイの様子です。生花店としては私たちの概念を遥かに超え、なんと敷地面積は8ヘクタールを誇ります。

花器のサイズ、垂れ下がりのグリーンの長さ、奥行き、立体感などが別次元です。


(人の大きさなどから比べてみてください)







オランダでは、何しろ下から見上げることが多いのです。

普段の生活の中で、このような空間があったら・・


 

まるで森や山の中を歩いているかのような錯覚になります。

 

グリーンや植物に囲まれている空間は、落ち着きや安らぎを私たちに感じさせてくれるかもしれません。



これらの写真はベルギーのインテリアメーカー「SEMPRE」さんのディスプレイの様子です。SEMPREのデザインは自然を元に生み出されていて、長きにわたる経験を生かしコンセプトから商品作りまで全てを自身で行なっているメーカーです。

こんなインテリアが私たちの部屋の中にあったら・・・

毎日の生活の質も上がりそうですね!!
 

2. カラーバリエーションへのこだわり
 

2つ目は、目を引くような色使いのバリエーションが豊富であること。


花材そのものは日本と変わらないのに
生活における「色への意識の高さ」を感じます。




オランダの有名生花店「NH Flowers」さんの店内をご紹介しましょう。

店内の椅子や台、置き物などほとんどが手作りされており、このお店ならではのものを見つけることができます。

主役となるテーマカラーを決めたら、調和するアイテムを数多く取り入れてみたり、花器とお花の色も揃えてみたりと、色に対する意識がとても強いことが感じられると思います。

お花以外の素材、キャンドルで細かなグラデーションを演出してみたり、見ている人を楽しませる要素をたくさん取り入れるチャレンジをしているように感じます。
 

3. デザイナーのプライドが存在する
 

3つ目は、デザイナー独自のエッセンスを盛り込んでいる。また、そういう努力をしているということです。


 
オランダのフラワーデザイナーは他に真似のできない独自性を日々追い求めています。

オランダの有名生花店「MENNO KROON」さんのディスプレィをご覧ください。

私たちの考える枠組みを超えた空間ディスプレイショップとなっています。

シーズン毎に花や花瓶だけではなく壁紙に至るまで作り変えているそうで、お店にいらっしゃるお客様はそれを楽しみとしています。このお店で買えないものは一切ないそうで、なんとディスプレイを丸ごと買い求めるお客様も多いとのこと。

背景の色があって、それに合わせたテーマ色を決めて、テーマ色に対峙した色を配置してみたりとか・・・

考えたデザイナーのこだわりが垣間見えます。
 

 
トレンドを取り入れながら独自性を追い求めている。

フラワーベースなども、他では買えないオリジナルのものを特別に作っていたりします。

1. 圧倒的なスケール感


2. カラーバリエーションへのこだわり

3. デザイナーのプライドが存在する


これが私の感じた日本とオランダの大きな違いTOP3です
 

 
私たちの生活においても、インテリアに合わせて植物をコーディネートし、それらを楽しむことができたら、もっとライフスタイルが豊かになることでしょう。
 

 
また、素敵なシーンをご紹介したいと思います。


 
第2回目の次回のオランダ視察レポートは「オランダの美術史における植物のあり方」などをお伝えしていきます。

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